社長定例会見

篠塚浩社長 社長会見(4月23日)要旨

2024-04-23
※社長所感。
篠塚社長:2024年度がスタートして、現在の経営計画も2年目に入った。年度の視聴率はまだ始まったばかりだが、個人全体で全日が1位、ゴールデンが民放2位、プライムが2位。経営計画の目標である3冠達成に向け、さらなる努力をしていくとともに、昨年度落ち込んだ放送事業収入の回復を図っていきたい。一方、成長事業では、年度初めに壽屋の株を追加取得し、持分法適用関連会社とした。すでに持分法適用関連会社であるBookLiveとあわせ、オリジナルIPの開発などで一層の協力を進めていきたいと思っている。
※最新の視聴率について。
西常務:最新の視聴率状況を報告する。個人の年間は全日が3.6%で日本テレビと並んで1位タイ、ゴールデンが5.5%で2位、プライムが5.5%で1位、プライム2が1.9%で2位。世帯の年間は全日が6.6%で1位、ゴールデンが9.2%で1位、プライムも同じく9.2%で1位、プライム2は3.6%で2位。4月クールはまだ始まったばかりだが、個人の全日が3.4%で、こちらも日本テレビと並び1位タイ、ゴールデンが4.9%で2位、プライムが5.0%で2位、プライム2が2.0%で2位。4月クールの世帯は全日が6.3%で1位、ゴールデンが8.4%で日本テレビと並んで民放1位タイ、プライムが8.7%で1位、プライム2は3.8%で2位という状況だ。
※今のところ、世帯視聴率と個人全体のどちらを重視するか、その意義付けをテレビ朝日はどう考えているのか。
西常務:基本的には現在個人視聴率が主流となっているが、これまで我々が慣れ親しんできた世帯視聴率も一つの指標としては捉えている。我々としては両方を見ているが、主に個人視聴率をしっかり見ている。
篠塚社長:今回の経営計画の目標も「個人全体で3冠」が目標になっている。
※営業状況について。
橋本取締役: まずお断りするが、当社は5月10日に、2024年3月期の決算発表を控えているので、今日は3月の確定数字については控えさせていただく。4月と5月の数字のみご報告する。まず4月のセールスは、トータルでは前年比101.5%。内訳はタイムが前年比99.3%、スポットが103.2%だ。この水準は、新年度のスタートとしては、まずまずの滑り出しと思っている。レギュラー番組のセールスは順調に進んでおり、我々として今注目しているのは、昨日負けてしまったが「サッカーAFC U23 アジアカップパリ五輪アジア最終予選」だ。オリンピックに行けるかどうかということで、4月26日のカタール戦に注目しているところだ。それ次第でセールスの状況も変わってくる。一方のスポットだが、ビール会社や食品各社が旺盛な需要を見せており、4月は比較的堅調に推移している。東京地区の取引高は前年比98%程度と見ている。当社においては103%台で、前年比ではシェアアップは確実だろうと思う。次の5月は、まだまだ動きはこれからと見ている。現在、タイム・スポット合わせて91.9%、内訳はタイムが99.7%、スポットが85.3%だ。タイムは、大型のゴールデンウィークが控えており、やはり影響があると思っている。4月に比べるとセールスのペースが若干鈍化していると見受けられるが、それでも前年水準は達成できると見ている。スポットも、5月は4月に比べるとスローな進み具合だ。大型連休の直前まで、売れるだけ売って、そして連休明けからまたアクセルを踏む感じになるかと思う。どうしても消費行動が、長期の休みに入ると変動するので、アドバタイザーもやや慎重になっていると思う。
※3月までスポットが各局とも戻ってきたと思うが、4月は思ったほどではなかったということか。また、5月以降の見通しはどうか。
橋本取締役:第1クォーターは前年並みだともともと考えていた。3月は期余りが結構あったため一時的な底上げがあったとみている。3月に入らなかった需要が4月にこぼれてきたということで、この判断をどこまでうまく見たかどうかで、4月の売り上げが局によって変わっている。5月は連休があるためトーンダウンすると見ており、それに沿った状況になっている。6月についてはまだアドバタイザーの動きがゆっくりであり、今の段階で申し上げることは難しい。
※放送外収入について。
武田副会長: 毎年恒例「METROPOLITAN ROCK FESTIVAL」(通称メトロック)を今年も大阪と東京で開催する。大阪は5月11日、12日の土日2日間、会場は堺市の海とのふれあい広場だ。一線級のアーティストたちが連日出演する。東京会場は若洲公園で、5月18日、19日の土日2日間の開催だ。新しい学校のリーダーズをはじめ、素晴らしいミュージシャンたちが続々と登場するのでご期待いただきたい。2件目は、テレビ朝日開局65周年記念イベント「EIGHT-JAM FES」だ。タイトルを「関ジャム 完全燃SHOW」から「EIGHT-JAM」に変更した番組のホストを務めているSUPER EIGHTのデビュー20周年を記念したリアルイベントを、当社の開局65周年記念イベントとして開催する。開催日は6月21日(金)から23日(日)までの3日間。会場はさいたまスーパーアリーナ。日替わりで毎回素晴らしいゲストも出演する。次は新規事業、「FUTURE TALENT STUDIO」の報告だ。この事業は、当社と電通がForbes JAPANとReGACY Innovation Group 株式会社をパートナーに迎えて、イントレプレナー(企業内起業家)やスタートアップ企業に対して新規事業開発プログラムを提供したり、様々な事業や団体とのネットワークを構築したり、有益な情報を提供するなどの支援を行うビジネスプラットフォーム事業だ。4月21日(日)午前10時から、この事業の関連番組「BooSTAR -スタートアップ応援します-」がスタートした。今後、月一回のペースで放送する。
※TELASAについて。
篠塚社長:1月クールは、「おっさんずラブ-リターンズ-」が、TELASAオリジナルのスピンオフも含めて大ヒットとなった。3月には単独タイトルが1カ月に記録する会員獲得数において過去最高となっている。バラエティーでは、韓国の人気アイドル「SHINee(シャイニー)」や、「ZEROBASEONE(ゼロベースワン)」のオリジナルコンテンツが会員増につながっている。
※ABEMAと出資映画について。
西常務: まずWAUは、現在平均で2000万前後と好調に推移している。ニュース、アニメといった定番コンテンツに加え、ドジャース戦の生中継、ハイライト動画が、大きく数字を伸ばしている状況だ。出資映画に関してもご報告する。「映画ドラえもん のび太の地球交響楽(ちきゅうシンフォニー)」の興行収入が現在39億円を突破しており、間もなく40億円に到達するという状況だ。ご覧いただいた多くの皆様に、改めてこの場を借りて感謝申し上げたい。それから、今月4月19日、「劇場版ブルーロック-EPISODE 凪-」が公開され、現時点で興行収入が4億6000万円、動員が33万7000人と、こちらも好調な滑り出しである。
※STARTO ENTERTAINMENT社について、何点か伺いたい。旧ジャニーズ事務所からタレントのマネジメント等を引き継いだSTARTO ENTERTAINMENT社が4月10日に本格始動した。この間、ファンクラブの運営について発表がなされた。この経営分離の進捗等をテレビ朝日としてはどう評価しているか、どう見ているのかをまず教えてほしい。
篠塚社長:SMILE-UP.社が経営分離に関する方向性を示したことについて、一歩前進と考えている。今後その通りに進むか、行方を注視してまいりたい。
※経営分離がしっかりなされているのか、私も取材をしていて心配な部分がある。テレビ朝日としてはSTARTO ENTERTAINMENT社は、番組への出演依頼をしたり、取引したりするのにふさわしい企業だと判断しているということか。
篠塚社長:前々から申し上げている通り、タレントの皆さんに問題があるとは考えていないため、番組起用にあたっては、個別の企画に沿って総合的に判断をしているという考え方に変わりない。
※185人のスタッフが旧会社から移籍をしている。新会社のホームページに性加害には関わっていないことが確認されたとあるが、その再発防止策をテレビ朝日としてどのようにモニタリングし、どういう基準で問題がないと判断するか。
篠塚社長:ご承知のように、テレビ朝日ホールディングスは2月に人権方針を定め、人権DD(デューデリジェンス)に関しては現在その進め方を議論している。基本的には、私どもの人権方針に従って、取引先企業の方々には、今後人権侵害にならない、あるいは再発することのないようにコミュニケーションを取っていきたいと思う。
※4月8日に田中優子さんや前川喜平さんらの株主提案がされ、その提案の中には、「政治権力の介入があったと認められた際に、独立の第三者委員会を設けるという定款を追加してください」、「番組審議会が機能不全だったときに、第三者委員会をつくってください」、「番審の委員長に10年の任期制限をつけてください」というような提案が盛り込まれているが、この提案についての受けとめは。
篠塚社長:株主提案を受けたのは事実だが、我々テレビ朝日ホールディングスの取締役会で、法令に従って適切に対応していく。この場で詳細を申し上げることは控える。
※その提案の補足資料の中で、2つの番組へ批判がなされている。例えば、「大下容子ワイド!スクランブル」は2023年10月17日、「羽鳥慎一モーニングショー」は2024年3月1日の放送に幻冬舎の書籍を紹介するコーナーがあり、それが広告放送なのではないかと指摘されていた。この番組について、問題の有無を含めテレビ朝日としての見解は。
篠塚社長:株主提案の中身になるため、詳細については控えるが、一点だけ、お伝えしたい。情報番組、場合によって報道番組もだが、ハードなニュースに加えて生活情報を扱うことが、一つの柱になっている。今の2つの番組に関しても、生活情報として取り上げたということだと思う。特に広告放送であると我々は認識していない。