社長定例会見
篠塚浩社長 社長会見(11月29日)要旨
2022-11-29
2022年11月29日 社長会見要旨
※2022年を振り返っての社長所感。
篠塚社長: 年間視聴率は、残すところ1カ月余りとなったが、個人全体視聴率では、全日・プライム・プライム2が2位。ゴールデンが民放2位だ。また、世帯視聴率では、全日・プライムがトップ、ゴールデンが民放2位、プライム2が民放2位で推移している。この1年を振り返ると、まずロシアによるウクライナ侵攻があった。冷戦後の世界秩序が激変するまさに世界史的な事案になるが、現在も継続中だ。資源価格を含む広範囲のインフレ、アメリカの金融政策に端を発した円安ドル高などは日本経済ひいては当社のビジネスにも大きく影響を与えている。我々も報道機関として連日大きく取り上げてきた。一方、国内では参議院選挙の応援演説中に安倍元総理が銃撃され亡くなるというあってはならないショッキングな事件もあり、こちらも長時間の緊急特番を含め放送対応してきた。スポーツでは、現在FIFAワールドカップカタール2022の放送権をABEMAと共同で獲得するという初めての試みに挑戦している。一昨日の「日本対コスタリカ」は地上波の視聴率が個人30.6%、世帯42.9%を獲得し、個人全体視聴率ではテレビ朝日歴代2位の高さとなった。また、リアルタイムで1分以上視聴した人は日本全国で約6080万人だった。ABEMAでは27日全体の視聴者数が1400万を突破し、開局史上最高数値を更新した。全64試合を放送するABEMAでは、テレビ朝日も制作に全面的に協力し、マルチカメラなど新しい視聴体験を提供している。ドラマについては、23年半続いた木曜ミステリー枠を終了し、新たに火曜21時にドラマ枠を新設し、水曜、木曜と合わせて21時台に3曜日連続でドラマを放送する編成が整った。この中で、「相棒season21」では、寺脇康文さん演じる初代相棒・亀山薫が14年ぶりに復帰して、大変な注目を集め、視聴率も好調に推移している。また、動画配信では「六本木クラス」がテレビ朝日の歴代最高の配信再生回数を記録したことは、今後のコンテンツ展開を考える上での大きな材料になったと思う。バラエティでは深夜のネオバラ枠を20年ぶりに改編し、「スーパーバラバラ大作戦」をスタートさせ、若手ディレクターによるチャレンジをさらに加速させている。10月から火曜20時に「有吉クイズ」が昇格するなど新たなソフトが育っている。さらに特番では「タモリステーション」を、初回の大谷翔平選手に始まり、ウクライナ情勢、カーリング、そしてサッカーワールドカップと4回にわたって放送し、地上波テレビならではの可能性を追求してきた。春以降のPUTの低下は大きな不安材料ではあるが、激しい競争の中でも映像コンテンツに対するニーズは増え続けているわけで、当社としてはコンテンツを360°展開していくというこれまでの経営計画を更に推し進めて様々なチャレンジをしていく所存だ。TELASAやAVOD、ウルトラインプレッションなどが着実に成長する中で、今年4月からはプライム帯を中心にリアルタイム配信もスタートし、また、ポストコロナを見据え、休止していた各種イベントを徐々に再開させてきた。「テレビ朝日・六本木ヒルズSUMMER STATION」を3年ぶりに開催することも出来た。1時間枠に拡大した「メタバースTV」を始め、メタバースやWeb3といった新しい潮流と地上波のマスリーチ力を掛け合わせたトライも引き続き推し進めて行く。
※最新の視聴率について。
西常務:まず個人全体の年間視聴率だ。全日が3.6%で2位、ゴールデンが5.4%で民放2位、プライムが5.4%で2位、そしてプライム2も2.0%で2位だ。世帯の年間は全日が6.7%で日本テレビと並び1位タイ、ゴールデンが9.3%で民放2位、プライムは9.5%で1位、そしてプライム2が3.8%で2位となっている。個人全体の年度は、全日が3.5%で2位、ゴールデンが5.2%で民放2位、プライムが5.3%で2位、そしてプライム2が2.0%で2位だ。世帯の年度は、全日が6.5%で1位、ゴールデンが9.0%で民放2位、プライムは9.2%で1位、そしてプライム2が3.8%で2位という状況だ。続いて、今後の主な放送予定はフィギュアスケート、いよいよグランプリファイナルを12月9日から3日間ゴールデン帯・プライム帯で放送する。年末にかけては恒例の大型バラエティが続く。18日には「M-1グランプリ2022」、23日は「ミュージックステーション ウルトラスーパーライブ」、大晦日は4年連続「ザワつく!大晦日」をお届けする予定だ。年始は「相棒season21元日スペシャル」「とんねるずのスポーツ王は俺だ!!」を予定している。ぜひご期待いただきたい。
※営業状況について。
橋本取締役:10月の数字が確定している。タイムが前年比で87.2%、スポットが96.3%で、
トータルでは91.8%だ。タイムが87.2%というのは、昨年は「世界体操・世界新体操 北九州」など大型スポーツ単発があったが、今年はそれらがないということで、タイムの売上はその分減っているという状況だ。スポーツと言えば今年の10月はゴルフとフィギュアがあった。今年で国内開催が3度目となった「ZOZO Championship」に多くのギャラリーが来場し、ポストコロナにおける世の中のリアルイベントへの欲求が実感できるような状況だった。また、日本人選手が活躍した「フィギュアグランプリシリーズ アメリカ大会/カナダ大会」も売上を確保してくれた。一方のスポットだが、10月の東京地区は95.2%と9月に続き前年を割っている。そのような中、当社は前年比で96.3%ということで、地区対比ではプラス1.1ポイント、シェアが0.3ポイント伸び22.6%で着地している。4月以降のシェアの拡大基調というものは変わらずということだ。11月12月についてまとめてお伝えする。まず11月のタイムが前年比では116.6%、スポットが88.6%で、トータルでは101%ジャストだ。12月については、タイムが前年比で101.9%、スポットが88.4%、トータル94.6%という状況で推移している。11月12月もスポーツ単発が多い時期になっている。「フィギュアグランプリファイナル」がイタリアのトリノで、高校バスケの「SoftBankウインターカップ」が東京で行われる。そして何より現在進行中の「ワールドカップサッカー・カタール大会」がある。このようなコンテンツのラインナップから、タイムについては前年比で大きくプラスに振れ、一方スポットはセールス枠が減少するため、それに準じて前年比ではマイナスという構図になる。スポットの業種を見ると、化粧品・トイレタリーや情報・通信が相変わらず元気がない状況が続いている。一方でコロナの規制緩和ということもあり、交通・レジャーなどには確かな出稿の動きが出てきている。コロナ第8波の警戒感が高まる中、市況への影響も一定程度はあるだろうと予想しているが、マイナス材料ばかりではないと思っている。年明けから年度末に向けて出稿が盛り上がってくるのではないかと期待を寄せている。
※放送外収入について。
武田副会長:今後の主なイベントをいくつか紹介する。最初は、12月10日EXシアター六本木で開催される「EX SPARKLING CLASSICS Op.4」だ。今回は2019年に出光音楽賞を受賞した箏奏者LEOさんとジャズピアニストの山下洋輔さんが競演する。新進気鋭の和楽器の貴公子と、ジャズピアニストの巨匠である山下さんの、伝統と革新のコラボレーションを存分に堪能していただくステージだ。次に「クレヨンしんちゃん」30周年の記念企画展だ。12月17日から1月9日まで、アニメ・映画30周年を記念した体験型の企画展を、池袋サンシャインシティ展示ホールCで開催する。そして、池袋サンシャインシティ展示ホールAでは、生誕50周年の「仮面ライダー」全国巡回展を12月23日から1月15日まで開催する。次はオフ・ブロードウェイ・ミュージカル「悪魔の毒毒モンスターReborn」だ。2020年に日本で初上演され好評を得た作品で、1月14日から22日まで、これもEXシアター六本木で上演する。次に、今チケットが即完売するクラシック界の人気ナンバーワンピアニスト、2021年ショパン国際コンクールで51年ぶりに日本人として2位に入賞した反田恭平さん、そして同年、エリザベート王妃国際コンクールで3位に入賞した務川慧悟さん、この2人によるコンサートの全国ツアーが1月19日石川県金沢市を皮切りにスタートする。全国15都市(うちテレビ朝日と系列局の共催は9都市)で開催する。今、国内で最も注目されているピアニスト2人による共演、これは来年のクラシック界で最も注目されるコンサートになると思う。最後に、羽生結弦さんのプロ転向後初となるアイスショー「プロローグ」が、今月4日5日に横浜で行われた。非常に盛況で反響も大きく、CSテレ朝チャンネルの新規加入者が大幅に増え、ライブビューイングも大好評であった。こうした反応を受け、12月2日3日5日には青森県八戸市で公演があるが、12月5日のライブビューイングについては、全国81カ所の映画館で実施する。
※TELASAについて。
篠塚社長:TELASAに関して、10月クールは「相棒」「ザ・トラベルナース」などのドラマが大変人気である。本編の配信はもちろん、スピンオフ企画なども積極的に行い、新規の獲得数も堅調に推移している。今月6日には、映画「天気の子」を地上波放送したが、リアルタイムに連動した実況特番をライブ配信し、相乗効果を狙った施策も実施した。今後このような新しい取り組みを積極的に行い、TELASAというプラットフォーム自体の魅力を高めていきたいと思う。
※ABEMAと出資映画について。
西常務: ABEMAのWAUは目標の1000万に対し、現在1500万前後で順調に推移している。そして全試合無料生中継しているサッカーワールドカップが開幕した先週は、このWAUが目標の3倍となる3000万を超えた。また、日本対コスタリカがあった一日での視聴者数が、開局以来最高の1400万を突破し、これまでにない記録の更新が続いている。この盛り上がりをしっかり維持できるよう、年末年始にかけて更に連携を深めつつ、様々なジャンルで強いコンテンツをお届けできればと思う。続いて、出資映画の最新状況について。年末12月23日「仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIE バトルロワイヤル」に始まり、年明け1月には木村拓哉さんが織田信長を演じる「THE LEGEND & BUTTERFLY」、2月には池井戸潤さん原作「シャイロックの子供たち」、3月には映画ドラえもんシリーズの最新作「映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)」が続々公開となる。ご期待いただければと思う。
※27日のコスタリカ戦は惜しくも敗れたが、視聴率は高かった。社長の感想と今後の日本代表へのエールを。
篠塚社長:本当に多くの視聴者の皆様にご覧いただいたことに改めて感謝を申し上げたい。ドイツ戦の劇的な勝利というのが一つの要因とも思うが、スポーツコンテンツの持つ爆発力が見事に発揮された視聴率だったのではないかと思う。実は、個人視聴率については、テレビ朝日として歴代2位だが、1位も2006年のワールドカップ日本対クロアチアだった。そういう意味でやはりスポーツコンテンツ、特にこういう試合になると多くの皆様に見ていただけるのだということを改めて実感する結果になった。今回に関しては、やはりABEMAと共同で権利を獲得して、全面的に制作に協力したという点が特徴的だ。日本戦のみならず64試合全てをABEMAでは放送していて、ワールドカップ全体の盛り上がりにつながっているのではないかと思う。日本代表へのエールということだが、スペイン戦は地上波はフジテレビだが、ABEMAでもしっかりと放送させていただくので、決勝トーナメントへの進出をぜひ期待したい。実は私はコスタリカ戦を現地で視察して、昨夜帰国したが、これからきっと立て直して、スペイン戦ではいい結果を見せてくれると期待している。ぜひフジテレビさんにも頑張っていただきたいが、ABEMAでも見ていただければと思う。
※「キャスターな会」のMCを務めている中居正広さんが体調不良でお休みしているが。西常務:長きに渡り第一線で活躍されて、これまで当社でもこの「キャスターな会」をはじめとして数多くの番組に出演いただいている。今回、仕事をお休みされるということは、大変悩まれた末のご決断だったかと思うが、しっかり休んで体調を整えた上で、番組にお戻りいただくことを我々としては願っている。
※ネットフリックスの広告付き低価格プランが問題になっているが、社長の所感は。
篠塚社長:そもそも広告がつくというプランでの配信を想定していなかった。事前の説明が不十分だったと思っており、その中で新プランがスタートしたことに関しては大変遺憾に思っている。特にコンテンツに関わる権利者に対して、広告付きという説明を当社としてはしていないので、広告付きでの配信については、当社と権利者との契約関係にも影響が出かねないと憂慮している。当社コンテンツへの広告付与を停止してほしい旨申し入れをしている。さらに十分な説明と、今後についての協議も求めている。 以上
※2022年を振り返っての社長所感。
篠塚社長: 年間視聴率は、残すところ1カ月余りとなったが、個人全体視聴率では、全日・プライム・プライム2が2位。ゴールデンが民放2位だ。また、世帯視聴率では、全日・プライムがトップ、ゴールデンが民放2位、プライム2が民放2位で推移している。この1年を振り返ると、まずロシアによるウクライナ侵攻があった。冷戦後の世界秩序が激変するまさに世界史的な事案になるが、現在も継続中だ。資源価格を含む広範囲のインフレ、アメリカの金融政策に端を発した円安ドル高などは日本経済ひいては当社のビジネスにも大きく影響を与えている。我々も報道機関として連日大きく取り上げてきた。一方、国内では参議院選挙の応援演説中に安倍元総理が銃撃され亡くなるというあってはならないショッキングな事件もあり、こちらも長時間の緊急特番を含め放送対応してきた。スポーツでは、現在FIFAワールドカップカタール2022の放送権をABEMAと共同で獲得するという初めての試みに挑戦している。一昨日の「日本対コスタリカ」は地上波の視聴率が個人30.6%、世帯42.9%を獲得し、個人全体視聴率ではテレビ朝日歴代2位の高さとなった。また、リアルタイムで1分以上視聴した人は日本全国で約6080万人だった。ABEMAでは27日全体の視聴者数が1400万を突破し、開局史上最高数値を更新した。全64試合を放送するABEMAでは、テレビ朝日も制作に全面的に協力し、マルチカメラなど新しい視聴体験を提供している。ドラマについては、23年半続いた木曜ミステリー枠を終了し、新たに火曜21時にドラマ枠を新設し、水曜、木曜と合わせて21時台に3曜日連続でドラマを放送する編成が整った。この中で、「相棒season21」では、寺脇康文さん演じる初代相棒・亀山薫が14年ぶりに復帰して、大変な注目を集め、視聴率も好調に推移している。また、動画配信では「六本木クラス」がテレビ朝日の歴代最高の配信再生回数を記録したことは、今後のコンテンツ展開を考える上での大きな材料になったと思う。バラエティでは深夜のネオバラ枠を20年ぶりに改編し、「スーパーバラバラ大作戦」をスタートさせ、若手ディレクターによるチャレンジをさらに加速させている。10月から火曜20時に「有吉クイズ」が昇格するなど新たなソフトが育っている。さらに特番では「タモリステーション」を、初回の大谷翔平選手に始まり、ウクライナ情勢、カーリング、そしてサッカーワールドカップと4回にわたって放送し、地上波テレビならではの可能性を追求してきた。春以降のPUTの低下は大きな不安材料ではあるが、激しい競争の中でも映像コンテンツに対するニーズは増え続けているわけで、当社としてはコンテンツを360°展開していくというこれまでの経営計画を更に推し進めて様々なチャレンジをしていく所存だ。TELASAやAVOD、ウルトラインプレッションなどが着実に成長する中で、今年4月からはプライム帯を中心にリアルタイム配信もスタートし、また、ポストコロナを見据え、休止していた各種イベントを徐々に再開させてきた。「テレビ朝日・六本木ヒルズSUMMER STATION」を3年ぶりに開催することも出来た。1時間枠に拡大した「メタバースTV」を始め、メタバースやWeb3といった新しい潮流と地上波のマスリーチ力を掛け合わせたトライも引き続き推し進めて行く。
※最新の視聴率について。
西常務:まず個人全体の年間視聴率だ。全日が3.6%で2位、ゴールデンが5.4%で民放2位、プライムが5.4%で2位、そしてプライム2も2.0%で2位だ。世帯の年間は全日が6.7%で日本テレビと並び1位タイ、ゴールデンが9.3%で民放2位、プライムは9.5%で1位、そしてプライム2が3.8%で2位となっている。個人全体の年度は、全日が3.5%で2位、ゴールデンが5.2%で民放2位、プライムが5.3%で2位、そしてプライム2が2.0%で2位だ。世帯の年度は、全日が6.5%で1位、ゴールデンが9.0%で民放2位、プライムは9.2%で1位、そしてプライム2が3.8%で2位という状況だ。続いて、今後の主な放送予定はフィギュアスケート、いよいよグランプリファイナルを12月9日から3日間ゴールデン帯・プライム帯で放送する。年末にかけては恒例の大型バラエティが続く。18日には「M-1グランプリ2022」、23日は「ミュージックステーション ウルトラスーパーライブ」、大晦日は4年連続「ザワつく!大晦日」をお届けする予定だ。年始は「相棒season21元日スペシャル」「とんねるずのスポーツ王は俺だ!!」を予定している。ぜひご期待いただきたい。
※営業状況について。
橋本取締役:10月の数字が確定している。タイムが前年比で87.2%、スポットが96.3%で、
トータルでは91.8%だ。タイムが87.2%というのは、昨年は「世界体操・世界新体操 北九州」など大型スポーツ単発があったが、今年はそれらがないということで、タイムの売上はその分減っているという状況だ。スポーツと言えば今年の10月はゴルフとフィギュアがあった。今年で国内開催が3度目となった「ZOZO Championship」に多くのギャラリーが来場し、ポストコロナにおける世の中のリアルイベントへの欲求が実感できるような状況だった。また、日本人選手が活躍した「フィギュアグランプリシリーズ アメリカ大会/カナダ大会」も売上を確保してくれた。一方のスポットだが、10月の東京地区は95.2%と9月に続き前年を割っている。そのような中、当社は前年比で96.3%ということで、地区対比ではプラス1.1ポイント、シェアが0.3ポイント伸び22.6%で着地している。4月以降のシェアの拡大基調というものは変わらずということだ。11月12月についてまとめてお伝えする。まず11月のタイムが前年比では116.6%、スポットが88.6%で、トータルでは101%ジャストだ。12月については、タイムが前年比で101.9%、スポットが88.4%、トータル94.6%という状況で推移している。11月12月もスポーツ単発が多い時期になっている。「フィギュアグランプリファイナル」がイタリアのトリノで、高校バスケの「SoftBankウインターカップ」が東京で行われる。そして何より現在進行中の「ワールドカップサッカー・カタール大会」がある。このようなコンテンツのラインナップから、タイムについては前年比で大きくプラスに振れ、一方スポットはセールス枠が減少するため、それに準じて前年比ではマイナスという構図になる。スポットの業種を見ると、化粧品・トイレタリーや情報・通信が相変わらず元気がない状況が続いている。一方でコロナの規制緩和ということもあり、交通・レジャーなどには確かな出稿の動きが出てきている。コロナ第8波の警戒感が高まる中、市況への影響も一定程度はあるだろうと予想しているが、マイナス材料ばかりではないと思っている。年明けから年度末に向けて出稿が盛り上がってくるのではないかと期待を寄せている。
※放送外収入について。
武田副会長:今後の主なイベントをいくつか紹介する。最初は、12月10日EXシアター六本木で開催される「EX SPARKLING CLASSICS Op.4」だ。今回は2019年に出光音楽賞を受賞した箏奏者LEOさんとジャズピアニストの山下洋輔さんが競演する。新進気鋭の和楽器の貴公子と、ジャズピアニストの巨匠である山下さんの、伝統と革新のコラボレーションを存分に堪能していただくステージだ。次に「クレヨンしんちゃん」30周年の記念企画展だ。12月17日から1月9日まで、アニメ・映画30周年を記念した体験型の企画展を、池袋サンシャインシティ展示ホールCで開催する。そして、池袋サンシャインシティ展示ホールAでは、生誕50周年の「仮面ライダー」全国巡回展を12月23日から1月15日まで開催する。次はオフ・ブロードウェイ・ミュージカル「悪魔の毒毒モンスターReborn」だ。2020年に日本で初上演され好評を得た作品で、1月14日から22日まで、これもEXシアター六本木で上演する。次に、今チケットが即完売するクラシック界の人気ナンバーワンピアニスト、2021年ショパン国際コンクールで51年ぶりに日本人として2位に入賞した反田恭平さん、そして同年、エリザベート王妃国際コンクールで3位に入賞した務川慧悟さん、この2人によるコンサートの全国ツアーが1月19日石川県金沢市を皮切りにスタートする。全国15都市(うちテレビ朝日と系列局の共催は9都市)で開催する。今、国内で最も注目されているピアニスト2人による共演、これは来年のクラシック界で最も注目されるコンサートになると思う。最後に、羽生結弦さんのプロ転向後初となるアイスショー「プロローグ」が、今月4日5日に横浜で行われた。非常に盛況で反響も大きく、CSテレ朝チャンネルの新規加入者が大幅に増え、ライブビューイングも大好評であった。こうした反応を受け、12月2日3日5日には青森県八戸市で公演があるが、12月5日のライブビューイングについては、全国81カ所の映画館で実施する。
※TELASAについて。
篠塚社長:TELASAに関して、10月クールは「相棒」「ザ・トラベルナース」などのドラマが大変人気である。本編の配信はもちろん、スピンオフ企画なども積極的に行い、新規の獲得数も堅調に推移している。今月6日には、映画「天気の子」を地上波放送したが、リアルタイムに連動した実況特番をライブ配信し、相乗効果を狙った施策も実施した。今後このような新しい取り組みを積極的に行い、TELASAというプラットフォーム自体の魅力を高めていきたいと思う。
※ABEMAと出資映画について。
西常務: ABEMAのWAUは目標の1000万に対し、現在1500万前後で順調に推移している。そして全試合無料生中継しているサッカーワールドカップが開幕した先週は、このWAUが目標の3倍となる3000万を超えた。また、日本対コスタリカがあった一日での視聴者数が、開局以来最高の1400万を突破し、これまでにない記録の更新が続いている。この盛り上がりをしっかり維持できるよう、年末年始にかけて更に連携を深めつつ、様々なジャンルで強いコンテンツをお届けできればと思う。続いて、出資映画の最新状況について。年末12月23日「仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIE バトルロワイヤル」に始まり、年明け1月には木村拓哉さんが織田信長を演じる「THE LEGEND & BUTTERFLY」、2月には池井戸潤さん原作「シャイロックの子供たち」、3月には映画ドラえもんシリーズの最新作「映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)」が続々公開となる。ご期待いただければと思う。
※27日のコスタリカ戦は惜しくも敗れたが、視聴率は高かった。社長の感想と今後の日本代表へのエールを。
篠塚社長:本当に多くの視聴者の皆様にご覧いただいたことに改めて感謝を申し上げたい。ドイツ戦の劇的な勝利というのが一つの要因とも思うが、スポーツコンテンツの持つ爆発力が見事に発揮された視聴率だったのではないかと思う。実は、個人視聴率については、テレビ朝日として歴代2位だが、1位も2006年のワールドカップ日本対クロアチアだった。そういう意味でやはりスポーツコンテンツ、特にこういう試合になると多くの皆様に見ていただけるのだということを改めて実感する結果になった。今回に関しては、やはりABEMAと共同で権利を獲得して、全面的に制作に協力したという点が特徴的だ。日本戦のみならず64試合全てをABEMAでは放送していて、ワールドカップ全体の盛り上がりにつながっているのではないかと思う。日本代表へのエールということだが、スペイン戦は地上波はフジテレビだが、ABEMAでもしっかりと放送させていただくので、決勝トーナメントへの進出をぜひ期待したい。実は私はコスタリカ戦を現地で視察して、昨夜帰国したが、これからきっと立て直して、スペイン戦ではいい結果を見せてくれると期待している。ぜひフジテレビさんにも頑張っていただきたいが、ABEMAでも見ていただければと思う。
※「キャスターな会」のMCを務めている中居正広さんが体調不良でお休みしているが。西常務:長きに渡り第一線で活躍されて、これまで当社でもこの「キャスターな会」をはじめとして数多くの番組に出演いただいている。今回、仕事をお休みされるということは、大変悩まれた末のご決断だったかと思うが、しっかり休んで体調を整えた上で、番組にお戻りいただくことを我々としては願っている。
※ネットフリックスの広告付き低価格プランが問題になっているが、社長の所感は。
篠塚社長:そもそも広告がつくというプランでの配信を想定していなかった。事前の説明が不十分だったと思っており、その中で新プランがスタートしたことに関しては大変遺憾に思っている。特にコンテンツに関わる権利者に対して、広告付きという説明を当社としてはしていないので、広告付きでの配信については、当社と権利者との契約関係にも影響が出かねないと憂慮している。当社コンテンツへの広告付与を停止してほしい旨申し入れをしている。さらに十分な説明と、今後についての協議も求めている。 以上