社長定例会見

早河洋会長 記者会見(4月26日)要旨

2022-04-27
2022年4月26日 社長会見要旨

※新年度を迎えての所感。
早河会長:21年度の業績については来月発表になるが、利益ベースでは現時点で過去最高レベルだ。視聴率も堅調だった。新年度はそれをベースに、増収増益を目指していきたいと思う。ただウクライナ情勢や、新型コロナウイルス、円安傾向などいろいろな不確定要素があり、経済環境は必ずしも楽観できない状況と認識している。アドバタイザーの業績に、こうした不確定な要素が影響する可能性があり、広告出稿が鈍化する恐れもあるので注視していきたい。また、このところのHUT(総世帯視聴率)、PUT(総個人視聴率)、全体的な視聴率の低下傾向も気になるところだ。しかし、明るい材料も少なくない。編成計画を見ると、6月には世界水泳、10月には世界体操、11月から12月にかけてはサッカーワールドカップカタール大会が開催され、テレビ朝日としては6大会連続の放送対応となる。1次リーグでの日本代表の第2戦は、決勝トーナメント進出がかかる重要なゲームで、唯一のゴールデンタイムの放送なので、好ゲーム、高視聴率を期待している。さらに来年3月には野球の世界一を決めるWBCが予定されている。大会概要が決まって、放送権を獲得することができ、侍ジャパンに、もし大谷翔平、佐々木朗希の両選手が加わることになれば、国民的な大きな盛り上がりになるのは間違いない。これまで進めてきたスポーツ戦略が花開くことを楽しみにしている。ドラマも各クールのラインナップが整っており、バラエティも深夜帯の「バラバラ大作戦」の挑戦の中から、新しい可能性が生まれることを期待している。好調な報道番組は更なる飛躍に努めてもらいたいという気持ちだ。イベントでは、2年間休止した「テレビ朝日・六本木ヒルズ SUMMER STATION」を復活させる。のべ人数で毎回500万人以上の賑わいを見せたので、それを取り戻していきたい。年度初めに全社対話集会を実施した。不祥事の遠因となった企業風土、経営サイドと社員のコミュニケーションを刷新して、その流れで成長戦略を構築していく、いわば禍転じて前に進めようという趣旨で始めたのが全社対話集会だ。4月6日に第1回を開催し、リモートを含め社員全体の80%にあたる1000人の参加となり、関心の高さを感じた。2時間余り、大変密度の濃い対話だった。社員からは社長辞任について、経営トップの考えを直接聞きたいという切実な思いを感じ、それを受け止め誠実に答えた。今後2回3回と開催することにしているが、非常に真面目な質問、意見ばかりで手応えがあったと受け止めている。成長戦略では、以前編成が企画募集したところ、300近い企画が集まった。現場のモチベーションの高さを感じたので、今後デジタル系を含む事業分野の企画提案を募集し、社員の経営への参画を促して、全社一体の成長につなげていきたい。私自身もかつてブログで展開した「テレビ塾」のような勉強会を主催して、社員にメッセージを送るとともに、交流を図っていきたいと考える。全体として、一連の今回の件ではキーワードはコミュニケーションということを学んだ。今後の抱負の一つとして社員とともに成長戦略を展開していければと思う。
※最新の視聴率について。
西取締役: 視聴率の最新状況について報告する。まず個人の年間視聴率。全日が3.8%で2位、ゴールデンが5.7%で民放2位、プライムが5.8%で日本テレビと並び1位タイ、プライム2は2.1%で2位だ。続いて、世帯の年間。全日が7.0%で2位、ゴールデンが9.8%で民放2位、プライムは10.0%で1位、プライム2は4.0%で2位だ。続いて、個人の年度視聴率。全日が3.5%で2位、ゴールデンが5.1%で民放2位、プライムが5.2%で2位、そしてプライム2は2.0%で2位だ。世帯の年度は、全日が6.6%で1位、ゴールデンが9.0%で 日本テレビと並び民放1位タイ、プライムは9.1%で1位、そしてプライム2が3.8%で2位という状況だ。続いて、今後の主な放送予定だが、ゴールデンウィークの特番は5月2日、全国の鉄道ファンに投票いただく「鉄道ファンがガチ投票!駅総選挙」。5月3日は「ロンドンハーツ」の芸能人スポーツテスト。そして6日には若手アーティストが選ぶ平成の最強ソングを集めた「関ジャム完全燃SHOW」のスペシャルを予定している。
※年度視聴率の世帯で開局以来初の民放三冠について
西取締役:「報道ステーション」、週末は「サタデーステーション」「サンデーステーション」と、テレビ朝日独自のプライム帯のニュースベルト、これが年間を通して好調に推移したのが大きい。それから朝と昼の情報のベルト番組が通年で好調に推移した。そのおかげで一日のタテ流れも順調に進んだ。そしてこのベルト番組の好調さに加えて、「相棒season20」や「ドクターX~外科医・大門未知子~」等々、各クールで連続ドラマが好調に推移したこと。それからバラエティでは「ザワつく!金曜日」「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」「ポツンと一軒家」など週末にかけて数字が伸びた。また、スポーツで夏と冬の2回のオリンピックやサッカーワールドカップのアジア地区最終予選など大型スポーツ中継でも高い数字が伸びた。この一連の流れの総合的な結果だと思う。あらためて多くの視聴者に選んでいただけたことを感謝申し上げたい。テレビ朝日はオールターゲットと申し上げているので老若男女、皆様に見て頂けるソフトを作りたいと思う。
※営業状況について。
早河会長: 決算の正式発表前ということで、3月の確定数字の報告は控え、足下だけお伝えする。4月は、タイムが前年比94%±α、スポット100%±α、トータル97%±αとなっており、この水準で着地する見込みだ。4月については、枠が混みあっていた3月から溢れてきた需要や、大手ビール会社の出稿などが牽引する形で、まずまずの年度のスタートが切れたが、足下5月以降のセールスについては、若干勢いが弱まっている。長引くウクライナ情勢や、急激な円安、原材料高などによる業績圧迫懸念によって、アドバタイザーが年度初めからの広告費用投下に慎重になっているように見受けられる。現状、5月については、タイムが前年比93%+α、スポット87%+α、トータル90%+αで推移している。ゴールデンウィークを挟みセールス期間も残り少なくなってきているため、スピード感を持ったプロモート作業で需要の掘り起こしに努めていく。
※放送外収入について
武田副会長:まずは、毎回ご報告している新型コロナウイルスによる22年度のイベントへの影響だが、期間中の一時休演が1件あった。これは日本青年館ホールで4月18日まで開催していた「銀河鉄道999 THE MUSICAL」だ。この公演で公演関係者の体調不良のため、念のため14日と16日のそれぞれ2回、計4回を休演した。これから開催されるイベントを3件紹介する。まず、毎年開催しており、今回で6回目となる「DINO SAFARI 2022」だ。実物大の恐竜型メカニカルスーツが観客の目の前で動き回るという、大迫力の体験型リアルライブエンターテインメントだ。今回は渋谷ヒカリエの10周年記念公演ということで、内容も例年以上にスケールアップしてお送りする。会場は渋谷ヒカリエ9階のホールAで、明日4月27日から5月8日までの開催だ。2つ目は、コロナの影響で2年連続中止を余儀なくされた「METROCK2022」だ。3年ぶり10回目の開催だ。大阪での開催が堺市の海とのふれあい広場で5月14日と15日、東京での開催は新木場・若洲公園で、5月21日と22日の2日間で開催する。主な出演アーティストは、10周年にふさわしい30組を超える豪華なキャスティングとなっている。最後は「Fantasy on Ice 2022」だ。これも3年ぶりの開催だ。5月27日から29日までの3日間、幕張メッセイベントホールでの開催となる。北京の冬季オリンピックや世界選手権で活躍した選手たちが出演する華やかなアイスショーだ。最後にリアルと配信を絡めたイベントの報告を1点させていただく。当社のレギュラーバラエティー番組「キョコロヒー」の番組初となるイベントを5月24日EXシアター六本木で開催する。日向坂46の齊藤京子さんとヒコロヒーさんがゲストと共に繰り広げるトークイベントで、テレ朝動画でも配信する。
篠塚常務:TELASAに関して。まず、先週土曜日の深夜に地上波で放送した、藤井風さんの初めての冠番組「藤井風テレビwithシソンヌ・ヒコロヒー」は、TELASAと完全連動し、TELASAでしか見られない藤井風さんのスペシャルライブや、トーク場面のロングバージョンを配信している。配信開始直後からネット上でも大変盛り上がっており、大幅な入会者増につながっている。今週末には地上波で後半の放送があるので、こちらも期待している。それから、今のクールでは、「未来への10カウント」、「家政夫のミタゾノ」、「俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?」、「妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-」といったドラマのスピンオフを配信しており、こちらも会員獲得に大きく貢献してくれている。
西取締役:ABEMA関連の報告をする。開局6年となったABEMAだが、WAUは目標の1,000万に対して現状では1,200万台で推移をしている。コンテンツのトピックスとしては、昨年に続いて今シーズンも大谷翔平選手や鈴木誠也選手など日本人選手の活躍を中心に、「メジャーリーグベースボール」を連日お届けしている。それから11月には、サッカーワールドカップカタール大会。この全64試合を無料で生中継する。今後も注目のコンテンツが続く。そして、出資映画の最新状況だが、3月公開の「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021」は、現時点で動員が209万人、興行収入が25億となっている。そして、先週22日に公開になった「映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝」は動員が30万人、そして興行収入が3.7億という現状で好調なスタートを切ったのではないかと思っている。
※昨日の俳優山本圭さんの訃報について。
早河会長:山本さんには土曜ワイド劇場の「タクシードライバーの推理日誌」「トラベルミステリー」といったシリーズにゲスト出演していただいた。「やすらぎの郷」「やすらぎの刻~道」で主人公の石坂浩二さんとの丁々発止のコミカルな演技で、“大納言”という愛称を持つ時代劇スターを演じていただいた。シリアスで飄々とした味のある演技をされる方で、それが非常に印象に残っている。謹んでお悔やみを申し上げると共に、御冥福をお祈りする。