社長定例会見

角南源五社長 社長会見(10月25日)要旨

2016-10-26
※10月改編始まっての所感を。
角南社長:直近の流れとしては、全日帯で「羽鳥慎一モーニングショー」が9月の月間平均7.4%で、毎分データが存在する1989年以降初めての同時間帯民放トップとなり、平日朝から昼のベルト番組は好調に推移している。そして10月改編では、10月6日、11日の「サッカーロシアW杯アジア最終予選」が高視聴率を獲得し、連続ドラマでは「ドクターX~外科医・大門未知子~」「相棒season15」「科捜研の女」がそれぞれ好スタートを切っている。金曜ナイトドラマ「家政夫のミタゾノ」も同時間帯トップの好スタートで、トップとの差を縮めるチャンスと捉えている。今晩の「SMBC日本シリーズ2016」も楽しみだ。10月改編大いに期待している。
亀山常務:昨日までの視聴率状況についてご報告する。年間平均は全日が7.3%、プライムが10.6%、プライム2が6.8%で2位。ゴールデンは10.2%で民放2位という状況だ。年度平均は全日が7.1%、ゴールデンは9.9%で民放2位、プライムが10.3%、プライム2が6.4%で2位。ゴールデン、プライム帯は年間と同様に前年度比マイナスとなっているが、全日は前年比0.3ポイントプラスというところで推移している。続いて10月の月間平均は全日が7.4%、ゴールデンが10.6%、プライムが10.7%、プライム2が6.1%でいずれも2位だ。ゴールデン、プライム帯ではサッカーの「W杯アジア最終予選」のイラク戦、オーストラリア戦が高視聴率を獲得している。先ほど出た通り「ドクターX」が初回20.4%。「相棒」も20時からのスペシャルで15.5%。「科捜研の女」が初回11.6%と好スタートを切っている。バラエティでは、「日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」が木曜19時に移動して2回放送して平均10.7%と同枠の前年平均を0.5ポイント上回る形でスタートしている。先週「日曜もアメトーーク!」がスタートしたが、9.3%と激戦区の中で堅調なスタートを切ったと考えている。全日帯の報道情報ベルト番組が、前年平均をプラスして推移している。中でも「グッド!モーニング」の6時台、7時台が前年を1ポイント以上上回っており、「羽鳥慎一モーニングショー」は平均6.9%と前年を0.7ポイント上回っており引き続き好調だ。今後の放送予定だが、今夜の日本シリーズ第3戦。シリーズは他に第5戦と第7戦の放送を予定している。そして先週アメリカ大会で開幕した「フィギュアスケートグランプリシリーズ」は今週羽生選手が出場するカナダ大会がある。そしてサッカーは「ワールドカップ最終予選」第5戦、B組首位のサウジアラビアをホームで迎える形で11月15日(火)。野球ではWBCに向けて「侍ジャパン強化試合」が11月11日(金)メキシコ戦、13日(日)はオランダ戦の放送を予定している。スペシャルドラマでは「山田太一ドラマスペシャル 五年目のひとり」を11月19日(土)21時から放送を予定している。
※今月からビデオリサーチ社の関東地区調査がタイムシフト視聴率、総合視聴率と新たな指標が増えた。10月クールの視聴率はどうなっているか。
亀山常務:多くタイムシフト視聴されているのは、やはりドラマを中心にアニメ、映画といったストーリー系、バラエティは番組の内容や出演者によってバラつきがある。報道情報番組はほぼゼロといった結果。その中で「相棒」初回は視聴率15.5%、タイムシフト視聴率6.8%、総合視聴率21.4%。「ドクターX」は視聴率20.4%、タイムシフト視聴率9.5%、総合視聴率28.3%。「アメトーーク!」は10月6日、9.3%、タイムシフト視聴率4.6%、総合視聴率13.3%。10月13日は8.5%、タイムシフト視聴率が4.3%、総合視聴率12.1%。「日曜もアメトーーク!」は視聴率9.3%、タイムシフト視聴率4.3%、総合視聴率12.9%だった。このほか「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」「土曜ワイド劇場」「仮面ライダーエグゼイド」などがタイムシフトでは数字を取っている。バラエティでは、「アメトーーク」「金曜★ロンドンハーツ」「マツコ&有吉の怒り新党」が高めというところだが、9月までのデータから考えて、想定の範囲内かなと思っている。
※営業状況について
角南社長:9月の営業実績から申し上げる。タイムは前年比105.0%、スポットは108.2%、トータルでは106.7%で確定した。タイムだが、「サッカーロシアW杯アジア最終予選」の2試合、「ミュージックステーションウルトラFES」の売上がけん引し、昨年から大幅に売上を伸ばすことができた。スポットは、東京地区は不調だった8月から一転し、前年比103.2%となった。そうした中、当社は営業活動に努め、売上を積み上げた結果、東京地区の伸び率より高い前年比108.2%となっている。10月の営業売上げだが、現状タイムは前年比111%+α、スポットは107%+α、トータルでは109%+αで推移している。タイムは、「ロシアW杯アジア最終予選」の2試合とフィギュアグランプリシリーズアメリカ大会・カナダ大会、日本シリーズなどのスポーツ単発のセールスにより、前年以上の売上となっている。スポットは東京地区の市況は9月に続き活況の見込みだ。そういった中、当社は地区水準を上回る売上となる見込みだ。最後に11月の営業売上。現状、タイムは前年比82%+α、スポットは104%+α、トータルで93%+αで推移している。タイムは10月同様「ロシアW杯最終予選」とフィギュアグランプリシリーズ・フランス大会、そして全日本大学駅伝などのスポーツ単発のセールスに注力していく。スポットだが、11月の市況は9月10月に続き活況の見込みだ。現時点ですでに前年以上の売上となっている。ここから引き続きセールス活動を行い、売上を積み上げていく。
※放送外収入について
平城常務:まずはAbemaTVおよびAbemaNewsの進捗について報告する。アプリのダウンロード数は、間もなく1000万ダウンロード達成の見込みとなっており、好調を継続している。直近の番組では、昨日まで行われ3万3千人を動員して終了した「テレビ朝日ドリームフェスティバル」の初日を約4時間にわたって独占生中継を実施し、高い視聴数を獲得した。また10月3日から「ドラマチャンネル」で配信した「ドクターX~外科医・大門未知子~2012」も高い視聴数を獲得した。今後の予定は、日本シリーズ第3戦、第5戦、第7戦を生配信する。また新たな取組みとして、この冬AbemaTV初のオリジナル連続ドラマ「特命係長 只野仁 AbemaTVオリジナル」を配信する。その他の機能面についても、AmazonFireTVへの対応を実施するなど、更なる開発を行っている。続いて、AbemaNewsについてご説明する。10月はノーベル賞を受賞した大隅教授の会見や、リオ五輪・パラリンピック選手団のパレードを、いずれも独自の生中継でお伝えした。12日に東京都内のおよそ59万軒が一時停電した際には、およそ2時間半にわたって緊急生中継を実施し、火災現場のLIVE映像とともに、各地の停電情報をお伝えした。また、21日の鳥取県中部の地震でも独自の気象庁会見中継や、地上波放送の同時再配信などを緊急編成した。こうしたライフラインに直結しかねない事故や災害については、なるべくLIVEで最新の情報をお伝えし、今後も視聴者・ユーザーのニーズに応えられるサービスを目指していきたいと思う。また、選挙報道では、アメリカ大統領選について、3回のテレビ討論の生配信を行い、高い視聴数を獲得した。大統領選は日本時間の来月9日の投開票日に特番対応を検討している。続いてKDDI株式会社とのビデオパス協業についてご報告申し上げる。「ドクターX~外科医・大門未知子~2012」とシリーズ初のスピンオフドラマ「ドクターY~外科医・加地秀樹~」がビデオパス全ジャンル再生ランキングで1位を獲得している。「ドクターX」は10月に入ってから5日間、「ドクターY」は2日間だった。また、ビデオパス国内ドラマ週間ランキングでベスト10でも、この2作品が独占している。日次のランキングでも10月7日から12日まで6日間連続で、「ドクターX」と「ドクターY」がベスト10を独占した。続いて共同制作ドラマ第3弾、秋元康さん原作の「警視庁 ナシゴレン課」についてご報告する。この第1話が18日から3日間連続で、ビデオパス全ジャンル再生ランキング1位を獲得した。また地上波放送に合わせて配信しているビデオパス限定のスピンオフドラマ「警視庁 ナシゴレン課 番外編 『恋のアルマジロ』」の第1話が、18日から2日連続でビデオパス国内ドラマ再生ランキング2位を獲得している。また、先週地上波でスタートした「科捜研の女」を初回放送直後から見放題配信をしており、こちらも10月22日から2日連続でビデオパス全ジャンル再生ランキング1位になっている。続いてイベント事業。「ドクターX」の世界観をお楽しみいただける、シリーズ初の展覧会「ドクターX展」が明後日27日から11月8日まで、東京・東武百貨店池袋店で開催される。名場面集の上映や、全シリーズの概要をまとめたパネルや、最新シリーズの相関図パネル、未知子の劇中衣装などを展示するので是非ご来場いただきたい。それから「寺門ジモン厳選!極上!!グルメ祭り」も明日から開催する。こちらは明日から7日まで松坂屋上野店で開催される。是非ご来場いただきたい。
亀山常務:映画事業の報告をする。10月1日(土)に公開された「SCOOP!」だが動員数は46万2285人。興行収入は5億8847万円で推移している。
※先日総務省で公募が締め切られたが、BS朝日が4Kの実用放送に手を挙げた。今後、帯域の問題等もあると思うが、テレビ朝日HDとして4Kをやると決めた理由や今後の見通しについて。
藤ノ木専務:色々な形で総務省の支援もあり、実験的なことで4Kに関して、私たちもトライアルができた。新しい放送技術に対応するための高精細な機能をもった新しい放送サービスに参加していくことは、放送業界としては是非やらなければいけない事業だと捉えている。そういった意味で8月からNHKは試験放送を開始しているし、私たちも加入しているA-PABという組織があるがその中で12月1日から試験放送が開始され、4Kのいろいろなコンテンツを私たちもそこで放送していく。技術的な検証であるとか、どういった番組が4Kの画質にふさわしいコンテンツかということを検証しつつ、申請した放送開始予定日に備えていきたいと思っている。
※ドラマ「相棒」に出演していた高樹沙耶氏が大麻取締法違反容疑で逮捕された。「相棒」の再放送を差し替えるなど現状の対応と今後の考え方について。
亀山常務:逮捕されたとは聞いた。ただ詳細が分かっていないので、捜査を注視している。取り急ぎ、本日の「相棒」の放送は、彼女が出演していない作品に差し替えて対応することを決めている。今後については状況を確認しながら対応していきたい。
※昨日、「ドラえもん」のスネ夫役の肝付兼太さんが亡くなった。社長のお気持ちや思い出があれば。
角南社長:私もニュースで知った。お悔みを申し上げる。
※フランスで国際見本市のMIPCOMが開催し、今年は日本が主賓国ということで、現地で日本のコンテンツをアピールする場となった。現地での手応えなど、今年のMIPCOMについて。
平城常務:今年は「カントリーオブオナー」といって、日本のコンテンツを紹介するセッションが例年に比べて圧倒的に多く開催された。例年に比べると、日本の存在感を改めて示せたチャンスになったのではないかと思っている。当社としては、「ドラえもん」は63の国や地域で放送されているし、やはり「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」などの作品は、アジアの国々に限らず、ヨーロッパでも広く放送されたり、なおかつ多くの商談を頂いている。認知度は非常に高かった。新たな国からも「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」をやりたいというオファーがたくさんあった。また、新たな取り組みとしてフィリピンやシンガポールの会社と「バランガイ143」というバスケットボールアニメの国際共同制作、これは日本で放送するのではなく、現地で放送することを前提に制作した作品で、問合せが相次いでいた。東南アジアや中南米の会社などからもあった。そのようにローカル作品が台頭しつつあるので、今後は放送する国に応じたカスタマイズした作品なども手掛けて、更なるビジネスの可能性を探っていければと思っている。

以上