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放送番組審議会

tv asahi「放送番組審議会」からのお知らせ

第85回 テレビ朝日系列24社 放送番組審議会委員代表者会議 報告

2016年10月28日(テレビ朝日 特別会議室)

議題『テレビ朝日系列の報道について思うこと・望むこと』

【委員代表者の意見・提言】

<災害報道について>

●地震発生直後は、まず今の状況を知りたい。余震が続く中、これから先の見通し、身の安全を守るための避難所、医療機関、道路などの情報が欲しかった。最も必要としたのは日常生活を取り戻すための生活情報。一刻一刻変化する情報をいち早く入手し被災者に届けることが一番大切で、それが安心感に繋がっていく。L字対応の画面には非常に助けられ、心強かった。

●置かれている現状を分析して、状況の背景・原因・問題点を明らかにし、過去の震災経験者から導かれる解決策をも示唆してくれるような情報提供を期待している。

●マスコミ各社の飛ばすヘリコプターが多すぎて騒音がひどく、恐怖を煽っているように感じた。飛ばす時間を割り振るとか、映像の共同使用など検討してほしい。

●どの局も同じ地域の映像をずっと流していた。放送された地域が注目され、救援物資が届いた所と届かない所があったと聞く。競って映像になりそうなものを追いかけるのではなく、災害時は報道機関が協力して各社で分担するなど、被災者に寄り添い、被災者のニーズを的確に伝える報道を望む。

●避難所での取材のあり方が問題。災害を経験した局が持つ、被災者に寄り添った取材のノウハウや経験を共有し、災害報道に生かすシステムがあったほうがいい。

●東日本大震災から5年過ぎても、復興は名ばかりで何も進んでいない。そこへ台風10号が襲い大被害を受けた。過去の教訓が何も活かされず、学習もしていない。大津波で家などが流される映像を流すのを控えているが、流さないと目が覚めない。テレビ、映像の力をもって継続的に防災の番組を作ってほしい。

●福島が直面している一番の問題は、「風化」と「風評被害」で、この二つには密接な関連がある。風評被害を払拭するための取り組みについて、人々の関心がどんどん薄れ、いまだに農業や観光業が風評被害に苦しめられる原因になっている。災害が起こった直後だけ大きく取り上げるのではなく、その後どういう経過で復興をたどり、現在どういう状況なのか、ぜひ全国的に放送してほしい。

●災害を受けていない人は、対応しようという気がなかなか起きない。目に与える情報は非常に大きいので、災害の状況をどんどん見せて、忘れ去られないようにしていくべきではないか。

●大きな震災を経験したが、時間と共に自分の記憶がだんだん薄れていく。どの程度、我々は過去の経験から学び得るのか、じっくり考え直すべき時期なのではないか。災害の多い国に住む国民として、各地で起こる災害を全国的に情報共有する番組作りを意識し、より工夫してほしい。
震災の直後、一番重要なのは安否確認。72時間は、どうやって生命を救うか。その後復興過程の問題。それぞれの段階で、テレビがどういう役割を持ち得るか、きめ細かく検討してほしい。

●物理的な被害のみならず、その後経済面、社会面への影響も長く残る。報道が、将来の防災・減災への使命があるという意識を持って取り組んでほしい。

<報道姿勢>

●「公正公平・客観性」が使命であると同時に、権力をチェックするという非常に重要な機能を放送メディアは持っている。客観的な取材に基づき、ファクトを提示しながら物を言うことが重要である。

●今後も権力に対する鋭い監視の役割を果たしてほしい。報道番組は、局によってカラーが際立っていた時代があったが、今はどの局も同じようになってつまらない。

●民放の存在意義は、“自由さ”と、それゆえの“誇り”にある。批判的な精神をしっかりと持ち続け、自由な立場から自律的な報道を行ってほしい。

●アメリカのFCC(連邦通信委員会)では既に「公正原則」が撤廃されている。公正や公平をガチガチに考えることが、本当に視聴者にとっていいのか。民間放送は公共放送とは違うので、もう少し緩やかに考えていいと思う。

●日々の事件・事故も報道しながら、国の動きをきちんと捉え方向性を示してほしい。

●“圧力と思えない圧力”が実は存在する。何かを言われて、それが圧力になるというよりは、説明を求められると面倒だから、言うのはやめよう、書くのはやめようという “自粛”“萎縮”もある。

●新聞週間の展示の中に、“印刷してほしくないことを印刷するのが報道機関の役目ではないか”という1行があった。毅然として、報道の自由、あるいは国民の知る権利を守ってほしい。

●インターネットの普及で、テレビの1次情報発信という意味が薄れてきている。内容を吟味して、より掘り下げて報道していく必要がある。地道な取材を重ね、現場主義を徹底してほしい。例えばオリンピックの費用拡大や豊洲市場移転問題など、もっと早い段階で問題提起ができたのではないか。

●「報道ステーション」のリニューアル、富川悠太キャスターの起用は大成功だった。彼はまだまだ伸び代を秘めていると思うので、今後の活躍に大いに期待したい。

●「報道ステーション」は、品よくリニューアルされ、バランスが良くなったという好意的な意見が多かったが、品やバランスを報道番組に対する褒め言葉として受け取っていいのだろうか。視聴者の一歩先を行き、新たな議論を巻き起こすような報道をしてほしい。

●「報道ステーション」はもっとキャスターが斬り込んでほしいという意見と、キャスターが結論めいた意見を差し挟んだりせず、視聴者に委ねるべきだという意見に分かれた。

*朝日放送 岡田 編成局長

  災害担当のうち1名が、兵庫県と内閣府が出資した「人と防災未来センター」で1年間研修し、当社では今月から、Lアラートを利用したエリア別の災害情報、データ放送の実証実験を行っている。Lアラートから発信された避難勧告、洪水情報、土砂災害警戒情報などを、テレビの本体に設定されている郵便番号を利用し、市町村単位で地域ごとにデータ放送で画面に強制的に表示するという日本初の取り組み。

*篠塚 取締役報道局長

●様々な地震の経験を生かして、一歩ずつではあるが、前に進んでいると思う。特に避難所の取材は、被災者に寄り添い、迷惑をかけないよう指示を出している。災害のたび系列をあげて確認している。

●ヘリコプターはテレビの災害報道の最大武器であると考える。リアルタイムで全国に災害の実態を伝えられる。被災者の救出・救援活動に影響を与えない形での取材を心がけ、高度制限も設けているが、これまで以上にルールをしっかりとさせ、活動を続けていきたい。

●記者の教育は、座学と同時にOn-the-Job Training。礼節を守るのはどの取材現場でも同じ。もう1つ大事な柱が、いかに安全に取材するかということである。

●報道機関、特に民放は、権力のチェックという機能が求められ、それが我々の使命の一つであると十分認識している。いかにファクトベース、エビデンスベースで物事を言っていくかが重要だ。もう一つは、放送法第四条の1項にある「多角的論点の提示」で、見ている人に判断してもらうのが一番大事であると考える。

<吉田HD社長 挨拶>

  テレビを取り巻く環境は、予想以上のスピードで変わっている。インターネットの動画配信は、TVer、AbemaTV、ともに順調に利用者を増やしている。こうした中、地方のテレビ局がどう頑張っていけばいいのかという課題も論議され始めている。関東地区では10月から新しい指標として「タイムシフト視聴率」を取り入れた。こうした変化の中で、やはりコンテンツが一番大事ということを、改めて感じている。特に報道は大きな柱である。委員代表者の考えを虚心坦懐に伺いたい。

以上

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