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放送番組審議会

tv asahi「放送番組審議会」からのお知らせ

第583回 放送番組審議会報告 9月14日(木) 開催

■出席者(敬称略)

見城 徹   委員長
田中 早苗  副委員長

(五十音順)
秋元 康 委員
内館 牧子 委員
小倉 純二 委員
黒鉄 ヒロシ 委員
小松 成美 委員
関川 夏央 委員
田中 雄一郎 委員
丹羽 美之 委員
藤田 晋 委員

課題

「テレビは何故つまらなくなったのか 〜メディアとしての存在価値を問い直す〜」

<環境変化への適応>

●30年前の番組と単純比較すれば、現在の番組の方が、画質はもちろん、クオリティーが高い。インターネットが出てきて、接するメディアが増え、他に見るものができたということ。特にスマホの出現で“小さいパソコン”を持ち歩く状況となり、テレビ離れが加速度を増した。

●“1週間に一度決まった時間に見る”ということが、若い人のライフスタイルに合わないのだろう。テレビの“見せ方”に魅力がないのではないか。「好きな飲み物」のアンケートで、昔は1位が日本茶だったが、今はコーヒー。しかし「好きな缶飲料・ペットボトル飲料」では日本茶が断トツだった。つまり提供の仕方によって魅力が倍増することがある。ネットを使った提供の仕方も色々あるが、もっと大胆に今までの常識を覆すような見せ方を考えていってはどうか。

●せっかく作った番組が人々にうまく届いていないことが最大の問題。人がいる所、スイッチが入っている所に番組を届けるしかない。テレビ受像機が核であることは間違いないが、その上で様々な場所、時間、デバイスに番組を届けていく。発想を切り替えて、テレビ局から総合メディア企業に脱皮していくべき。

●テレビがメディアの中心でいるためには、コンテンツを様々なデバイスに、それに適合したフォーマットで出していく。さらに統一的で洗練されたプラットホームに載せていくことが重要。

●テレビはつまらなくなったのではなくて、見られなくなった。では、見られるためにどういう工夫をすればいいのか。そのヒントは、AbemaTVにある。AbemaTVは面白いと思うものをゲリラ戦のように作れて、そこからヒットコンテンツが生まれてくる。AbemaTVは地上波の番組にいい刺激を与え、いずれすごい武器になるだろう。

●AbemaTVは、テレビの持つ強み・資産を生かしてインターネットに展開するサービス。テレビの視聴率という指標を持ち込んで、面白い番組を作り続けるモチベーションを維持している。

●テレビ局の一番の強みは報道。ニュースをネットに出していき、ライブ性の強いコンテンツを足掛かりにして、他のコンテンツの視聴につなげる仕組みをどうつくるかが大事。

●デバイスが増えると、視聴率という尺度だけではテレビの影響力を測れなくなる。業界全体で新たな評価基準を作る努力が求められる。個々の番組の視聴率は落ちているように見えても、メディアミックスを含めてみると、テレビの影響力はむしろ高まっていると言えるかもしれない。影響力を可視化できる尺度が必要ではないか。

<制作者の意識・姿勢>

●インターネットのない時代と比較するのは無理だし、間違っている。怖いのは、テレビマンが、時代は変化した、人心が変化したと、どこかでテレビに見切りをつけること。メンタルなことはすぐ数字に出る。面白いものを作ってやろう、面白い切り口を考えてやろうという熱意は視聴者に伝わる。制作者のアナログな姿勢、心根が今後さらに大事になってくる。

●こういう番組を作るのだという制作者の熱、その熱をもっともっとやっていくべき。局自体にその熱があるかどうか、その雰囲気づくりができるかどうかが重要。

●昔のテレビは、プロデューサー達の“こんなものを作りたい”といった思いだけで作っていた。今のテレビ番組に制作者の思いや熱さはあるか。人が見えてこないのが辛い。作る人の思いが伝わってくると面白くなる。

●反省すべきは、マーケティングにとらわれすぎていること。データを見て分析するのはナンセンス。目先の視聴率ではなく、「これは面白い」ということをやらなければいけない。ホワイトボードを前に考えるのでなく、もっと外に目を向けるべき。

●テレビのメディアとしての成熟が、番組の空気となって伝わり、昔のような元気さ、やんちゃさ、挑戦心が失われていると視聴者は感じるのではないか。今はテレビの視聴率全体が落ち続けて、保守的にならざるを得ない状況にある。視聴率という手法の仕切り直しをした方がよいのではないか。視聴率を追いかけている今の状況で挑戦心を取り戻すことは難しい。

●60年代のテレビ局員はジャンルを作ろうとする冒険心・野心に満ち、上り坂の産業だった。しかし72年のあさま山荘事件の全中継で、やるべきことは大体やった。その後の番組はそのバリエーションになり、向上心・野心と結びつかなくなった。だがもともとテレビには可能性がある。

●テレビは、放送法があり、免許事業であるという構造上、対政治・政権には神経を遣っていると思う。どこまでがあるべき慎重さで、どこからが避けるべき自己規制なのか。最終的には経営幹部から制作現場まで、過剰な自己規制に陥っていないか、常に問い続けるしかない。それを突破して、やりたいと思ったこと、やるべきと感じたこと、テレビ局自身が面白いと考えたテーマを取り上げて番組を作っていくことが、面白さの必要条件ではないだろうか。

●テレビ業界は浮き沈みが激しく、割合たやすく落ちていくが、逆に上がることが出来る。

<番組内容>

●高齢者向けの同じような演出が多い。しかもマスコミが考える高齢者、巣鴨の地蔵通りにいるような高齢者を対象とした見せ方に拘っていると感じる。逆に「高齢者が絶対見ない番組」や「絶対嫌いになる番組」といった基準を敢えて作り、番組を制作することがあってもいい。

●本当にこれが100万人を対象に届けられるべきテーマなのかと思うことがある。国会議員や芸能人の不倫がトップニュースとなり、繰り返し報じられる。これだけのボリュームをもって伝えられるべきものなのか。YouTubeを使って発信することは個人の自由だが、それをブロードキャスト、マスメディアが報じることには大きな疑問を感じた。

●松居一代さんの動画に他局の情報番組は飛びついたが、「モーニングショー」は最小に止めた。「これをやってしまったら番組のコンセプトが壊れる」というきちんとした姿勢があった。

●プロフェッショナルという存在が稀薄であるとの印象を受ける。以前は、クイズ、歌番組、ニュース等それぞれに特化した、造詣の深い人材がいて、それらプロの力により知り得たことがたくさんあった。プロを育てる、見出すことも、テレビというメディアの役割かもしれない。

●ライブというテレビの特性を考えつめれば、おのずとテレビ的表現ができるのではないか。

●台風、大雨、北朝鮮の核実験等の報道番組は視聴率が高い。情報を得るにはテレビがどうしても必要だと思っている層は依然として多いので、そこに力を入れていく必要がある。

●繰り返しドラマ化される作品がある。文学には現代でなければ描けない秀作が生まれている。そうした作品は何故ドラマ化されないのか、オリジナル脚本が何故なかなか生まれないのか。

●固定観念が少しずれた時に人は幸福感や面白さを感じる。“少し”が眼目で、大きくずれると不愉快に感じたり怒ったりする。テレビが面白いのに視聴率が下がる原因は、日本人の固定観念がバラバラになって品が悪くなったことにある。テレビでの言葉遣いを正調にすることで、礼儀作法に戻る。ここで若い人が学ぶと、背筋が通って、固定観念が出来、共通の分母が出来て、またテレビは面白くなるのではないか。日本人独特の美徳も取り戻せるチャンスでもある。

●作品に投資するという考えが必要。今後は海外に目を向け、ネットへの販売を考えて、予算をかけ、素晴らしい作品を作るという方向に変えていかないと生き残れないのではないだろうか。

<局側見解>

●ライフスタイル、メディア環境の変化に対応して、「テレビ朝日360°」を強力に進めていく。

●AbemaTVに出向している制作者はすごくギラギラして、とんがって企画を作っている。そういう雰囲気をいかに作れるかがこれからのテレビ朝日にとって大事だと改めて感じた。

●それがどういうことか、どう考えたらいいのかを掘り下げるのが情報番組の変わらない役割。アナログな熱意と挑戦魂が現場の人間にとって一番大事だと思っている。

●記者、ディレクター、カメラマン、中継機材といった資源をフル稼働し、ライブ、事件事故等の中継に力を入れていきたい。災害報道はテレビに求められる一番大きな部分なので、情報をAbemaTVのような媒体を通して、瞬時に全国に届けていきたい。

●ハラハラ感と期待感がスポーツの醍醐味。1人でも多くテレビの前に集める工夫をして、スポーツライブを命懸けで伝えていきたい。

<角南社長からの報告>

●年間視聴率、全日が7.3%で2位、ゴールデンが9.5%で民放3位、プライムが9.9%で2位。年度視聴率、全日が7.1%で2位、ゴールデンが9.0%で民放3位、プライムが9.4%で2位。

●8月31日、サッカー日本代表がワールドカップ・ロシア大会出場を決めた対オーストラリア戦の視聴率は24.2%。ハーフタイムでの1対0という試合状況に対応したCM、試合終了後のワールドカップ出場決定を祝う生CMが話題になった。

●44日間にわたって開催した「テレビ朝日・六本木ヒルズ夏祭り SUMMER STATION」が、8月27日、大盛況のうち無事終了した。有料エリアを増やし、VR等の技術を駆使したイベントを多数揃えたほか、サテライト会場も増設。

●日本民間放送連盟賞のテレビエンターテインメント番組部門優秀賞に12月10日放送の「古舘トーキングヒストリー〜忠臣蔵、吉良邸討ち入り完全実況〜」、テレビドラマ番組部門優秀賞に11月19日放送の山田太一ドラマスペシャル「五年目のひとり」、テレビ報道部門優秀賞に昨年8月14日放送のザ・スクープスペシャル「緑十字機 決死の飛行」が内定。

●AbemaTVのダウンロード数が8月7日2,000万を突破。AbemaTVの新聞広告「お正月はAbemaTVを見よう!」が、新聞広告賞の広告主部門優秀賞を受賞。

以上

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